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関 正美; 森山 伸一; 篠崎 信一; 長谷川 浩一; 平内 慎一; 横倉 賢治; 下野 貢; 寺門 正之; 藤井 常幸
Fusion Engineering and Design, 74(1-4), p.273 - 277, 2005/11
被引用回数:3 パーセンタイル:24.17(Nuclear Science & Technology)LHアンテナはJT-60Uでの電流駆動実験等に対して貢献してきたが、LHアンテナ開口部は熱負荷でダメージを受け、入射パワーは年々低下してきた。入射パワーを回復するために、世界的にも初めての試みとなるLHアンテナ開口部に炭素製グリルを取付ける改造をした。炭素材は高耐熱性を持ち、かつプラズマの閉じ込め性能劣化させない低Z材である。炭素製グリルは、ベースフレームと高周波接触子それに炭素製先端部から成る。ベースフレームは既設のLHアンテナ開口部へ溶接され、高周波接触子はベースフレームと炭素製先端部の間の電気接触を改善する。先端部はグラファイトあるいは炭素繊維材から作られ、交換可能とするためボルトでベースフレームに取付けられるように工夫した。また実験実施後にグラファイトと炭素繊維材からできた先端部の性能を比較することができる。取付け工事の後、コンディショニングが順調に進捗し、プラズマの位置を制御することで良好な結合特性を実現し、高周波エネルギー最大約5MJのプラズマへの入射を達成した。さらに予想通りプラズマ電流を駆動していることを観測し、炭素製グリル付きLHアンテナの基本性能を確認した。
森山 伸一; 篠崎 信一
Japanese Journal of Applied Physics, Part 1, 44(8), p.6224 - 6229, 2005/08
被引用回数:1 パーセンタイル:4.7(Physics, Applied)実時間波形整形の手法を用い、分散処理の概念に基づいて、JT-60U高周波加熱装置の制御設備の改造を行った。改造後のシステムが、従来の集中処理システムに比べて高い性能と信頼性を発揮しているのは当然であるが、実時間波形整形機能により装置運転の役割分担を見直し、高効率で円滑な運転を実現したことは注目すべきことである。実験装置の性格上、実験運転と装置調整は平行して進められ、調整の完了は事実上ありえない。特にプラズマ対向機器でありかつ高い高周波電界の発生するアンテナのコンディショニングには、磁場やプラズマの存在する条件で、きめ細かく入射パラメータを設定することが不可欠である。改造後の典型的な役割分担では、JT-60U全体の実験パラメータを把握する実験オペレータが矩形の入射パワー波形をプログラムし、一方で高周波加熱装置、特にアンテナのその時点での状態を熟知したRFオペレータが、パワー上昇率限界など機器に固有のパラメータを入力する。これらの情報を実時間で合成した入射命令を機器側に送出するようにした。この改造では制御機器間の信号伝達を可能な限り単純化し、汎用機器を多用した。本改造で構築した単純で柔軟性のある分散処理システムは、核融合研究用高周波加熱装置の制御系のあり方を提案するものである。
前原 直; 関 正美; 菅沼 和明; 池田 佳隆
Fusion Engineering and Design, 30, p.253 - 259, 1995/00
被引用回数:2 パーセンタイル:28.04(Nuclear Science & Technology)JT-60UにおけるLHCD実験時に、48x4マルチジャンクション型ランチャーのガス放出特性評価を行った。その結果、プラズマ入射の初期段階においてガス放出率は、入射電力に対して強い依存性を示すが、RFコンディショニングが進んだ場合には依存性が弱まることが分かった。また約2週間のRFコンディショニングにより、プラズマ入射中の放出ガスの低減化を実現し、プラズマ入射電力、約6.5MW(1モジュールあたり:Pin~410kW)を達成した。十分にRFコンディショニングが進んだ状態でのモジュール内のガス発生量は、高周波電力Pin~360kWにおいて、~10[Pam/sm]のレベルであった。この値は、通常のSUS鋼製真空容器からのガス放出率と同程度の低い値である。これらの結果から将来の定常LHCD実験においても、ガス放出率が十分低いことが予想され、真空排気系の簡素化が期待できる。